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2011年4月24日 (日)

年収300万円時代を生き抜く経済学

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年収300万円時代を生き抜く経済学  森永 卓郎

お決まりのブックオフにて105円にて購入。コメンテイターとして登場する氏は、典型的な独特の容姿とオタク学が妙に印象深い。「私の家内は、私が夫である事が判明する事を最も恐れています」とTVでコメントしていましたが、飾らない純朴な方の様です。

こちらの書は恐らく貧乏を美徳とした、低所得満喫を啓蒙する低レベルな内容かと思いましたが、なんのなんの、雇用体系の変化から政策批判まで多岐に及んでおり、期待していなかっただけに中々興味深く一読させていただきました。

巻末にて永森氏の経歴を見てまた驚き。東大の経済学部出身だったのですね...。人は見掛けによりません、御見逸れいたしました。

さて年収300万円の生活水準は、欧州では平均的な水準であり、贅沢をしなければ日本でも十分に生活を維持出来るとあります。しかしそうなのでしょうか?世界一高い日本の物価は?居住費用は?その根拠に少々疑問を抱かざるをえません。

欧州の平均的生活水準は確かに年収300万円が平均水準である事は正しいようです。実際にこの年収でも車を持たない、賃貸で郊外、贅沢は敵とすれば、生活に潤いや余裕は有りませんが家族4人でもどうにか生活は出来るかもしれません。

現に10年前の私の年収は400万円台前半でした。この年収で家を買って(当時は無理なローンが通ったのです)、中古のハイラックスサーフを持って、スポーツスター乗って、乳飲み子を抱えた家族4人が全く余裕が無いながらどうにか生活出来ていた事を振り返ると何とかなるのでしょう。家族で海外旅行等遠い夢で、レジャーは近所の公園しかありませんでしたが

ただこの年収を基本に生計を立て、切り詰め型の生活に甘んじていると当然限界を超えます。企業の経費削減、リストラと同様に絞る雑巾も全く絞れなくなります。

家族を支える男たるもの、血の滲む努力をして命を縮め様とも、いかにして収入を増やすかを模索しなければなりません。現状に甘んじてしまうと結局落伍者となってしまいます。

ジニ係数からみても既に日本は一億総中流では無く、貧富の差が顕著になり、急速に貧困化し生活に行き詰る人々が急増しています。この書に有る様に年収300万以下の世帯が既に中間層になりつつ有ります。既に日本は「経済大国」ではなく「途上国」に落ちぶれています。

経済破綻は避けられませんが、国を捨てて海外へ移住出来るだけの資産を持たない我々はこの国で生きて行くしかありません。知恵を絞って体力が続く限り、中国人の気質の様に貪欲に、少しでも良い生活を目指して努力して行きましょう。

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