
一昨年のるるぶに、立ち寄り湯として「池の平温泉」が紹介されており、その内容に大変興味を持っていたので、今回のビーナスライン走行の帰路で立ち寄ってみました。
立派な温泉の写真と共に「100畳ほどの広さを誇り、開放感あふれる大露天風呂を始め、泡風呂やひのき風呂のほか~云々」そして、入浴1000円、パーキング1900台
このパーキング1900台が単なる誤植ではないかと思っていましたが、実際に訪れてみて、それが誤植で無い事が分かりました。
こちらの温泉は独立した温泉施設としての「池の平温泉」ではなく、池の平ホテル内に存在する、併設風呂でした。どうりでこの温泉のサイトが幾ら調べても出てこない訳です。
そして肝心の温泉ですが..。
正直に申し上げて1000円の価値は有りません。2回訪れる事は断じて有りません。
源泉の成分表示は入り口に一応掲示されていますが、お湯自に強い塩素臭を感じます。つまりは温水プール。循環ろ過は止むをえませんが、塩素消毒はもう少し工夫されてはいかがかと。
そして、露天は混浴となっており、浴衣を纏わなくてはなりませんが、これのレンタル料が別途300円。
その他、シャワーの恐ろしく低い水量(女性は逆に強すぎて桶に溜まらないほど)や、場内の汚れ具合、水洗バルブが破損して水が噴き出したまま等...。とにかく驚く事ばかり。
私が訪れたのが平日だった事もありますが、温泉も場内も、すれ違ったお客様は5組みほどしかなく、ほぼ開店休業状態。アミューズメントの機械がピコピコ悲しい音を繰り返すばかり。建物の裏手では軒が腐敗して落ちていました。
館内には温泉に始まり、カラオケ、ゲームセンター、食事処、そしてボーリング場まで。ホテル内にありとあらゆる娯楽を詰め込んだ、当時は夢の様な施設だった様です。それが今では、昭和を体現出来るミュージアムに。

嘗ては昭和天皇も訪れたこちらの施設。昭和30年代に開発が始まり、高度成長期と共に日本各地から人々を集客した、一大レジャー施設であった状況らしく、過去の栄光が渡り廊下に悲しく掲げられています。
仕舞いには、絵画のオークション販売の申し込みまで掲示されており「?」の連続。
時代の変化と共に、巨大な施設が人々を呼び込む力を失い、もはや死に体化し始めているこの施設。この施設を再生させる方法は果たしてない物かと、大変悲しく寂しい気持ちになりました。

要所要所、新たな試みも行われている様ですが、継ぎ接ぎであり、その中途半端さがかえって施設を惨めな状況に陥れる構図。
何とホテルのロビー向かいに、近年設置されたと思わる観音様が鎮座している有様。もはやグループは神頼みの域に入ってしまっているのでしょうか。
実は6年ほど前に、白樺リゾートの遊園地やパターゴルフを、まだ幼かった子供達と楽しませていただきました。当時も今と同じく、もう数年でこの施設も無くなるだろうから見納めだねと家内と言っていました。しかし既に6年が経過し、改めて考えればリーマンショックも乗り越えている訳です。実は恐るべし白樺リゾートグループなのかもしれません。
中途半端に新しくせず、同潤会アパートの様に文化財の如く当時のままの姿で保存、運営していく方が集客出来るのではないでしょうか。