
当初中国出張は気乗せず、仕事の一環であり何事も経験であると現地に渡りましたが、とにかく自分の目で見て感じる事が何より大切であると改めて感じました。
偏ったマスコミの情報を鵜呑み資する事は実に危険です。現在世界が分裂の危機に直面している大衆迎合の流れは、正しくこれに近い現象だと思います。

相変わらず面白い模倣が幾つも発見出来ましたが、過去に比べれば相当減少しており、既に中国のオリジナルが模倣を必要としなくなり始めています。
自動車や家電も既に世界基準の背中が見ており、間もなく追い抜けるのではないではないでしょうか。

アモイは中国南部の郊外にあたりますが、住宅環境は私が子供の頃に存在した公団住宅だと感じました。ざっと見る限り築40年から50年を経ています。
恐らく雨漏りも漏水も日常茶飯事でしょう。そこかしこで、庇が落ちたり建物の外壁が剥がれたりしていますが誰も気にしていない様子。
防犯のためなのか、バルコニーや窓は格子で完全に塞がれています。避難梯子など何処にもなく、火災が起きた時の事を考えると恐ろしいですね。

どの様な住まい方をしているのか部屋の中も非常に興味が有ります。

中国はノーヘル。一応ヘルメットを被る様に指導されているらしいのですが、9割の方はノーヘル。
原付に二人乗り、三人乗りも当たり前。目を疑うような乗り方をしている方ばかりで、一日道路脇で撮影したい位でした。
バイクは逆走はどころか、道路が渋滞しているとお構いなしに歩道に入り、歩行者の脇をすり抜けて行きます。

アモイは現在乾燥であり、道路も荒れて埃が多いのでいずれの車も非常に汚れています。しかしピカピカに磨かれた高級車も多く、その高級車の種類も豊富で比率も非常に高い。
都市部と異なりフェラーリやポルシェはほぼ見られませんでしたが、ベンツ、BMW、アウディ、VWととにかく多種多様。
合流では大阪の比較にならない程、数センチまで車をギリギリに寄せてきますから、車が接触する事等当たり前。ただ当たっても警察を呼ぶと面倒なので、その場でお金を払って示談のみ。
中国では大きなものが最も強いそうで、バス、タクシー、一般車の順なのだとか。教えられて車を観察していると、確かにバスは物凄い割り込みや幅寄せをしてきます。私は絶対に中国では運転出来ません。

商店前の歩道に勝手に座席を広げていますが、これも当たり前の光景。

一人で随分と街中を歩いてみましたが、最後に目的地の公園を訪れてみました。
夕方でしたが人々が集い子供達が元気に走り回る様は、本当に日本の30年、40年前の風景そのもの。

池を覗くと物凄い異臭。これはドブかと思わせる程の状況で、魚が皆お腹を向けて死んでいました。
これだけの人々が生活を営み、経済活動が急伸している状況では環境など考えていられないのでしょう。
日本の高度成長期も河川は汚れ、車の排気ガスで空気は真っ白でしたから。

「生きる」というエネルギーを感じます。

何処へ行っても人々が集い子供達が居ます。
日本は何処へ行っても老人ばかりで子供達の姿を見る事も極めて少なくなりました。幼稚園や保育園の子供達の声が煩いと騒がれる等、この国は活力や勢いを失い危険な領域に踏み込んでいると感じます。
GDPで中国に抜かれて久しい年月が経過しますが、この国に足を運んでみれば当然だと理解出来ます。お互いを良く理解し、むやみに敵対心を持たず隣人として友好的にやって行くべきですね。